ホームページに問い合わせフォームは置いてあるのに、なかなか相談が来ない—— よくいただく悩みです。その原因の多くは、フォームの出来ではなく、見ている人がまだ「相談する」と決めきれていないことにあります。
そこで有効なのが、診断コンテンツ(診断bot)です。いくつかの質問に答えると現在地と次の一手が分かる仕組みで、 相手に決断を求めずに関わりを持てるのが特徴です。この記事では、LINE構築やAI活用開発を手がけるCoconutWorksが、 自社でも3つの診断を公開・運用している立場から、設問と結果画面の作り方、問い合わせへのつなげ方を整理します。
結論: 診断は「まだ相談しない人」と関わるための入り口
| 比較項目 | 問い合わせフォーム | 診断コンテンツ |
|---|---|---|
| 相手に求めること | 「相談したい」と決まっている状態での入力 | 質問に答えるだけ。決断はまだ不要 |
| 心理的なハードル | 営業されるのではという警戒が働きやすい | 自分のための情報収集なので答えやすい |
| 相手が得るもの | 返信を待つ必要がある | その場で現在地と次の一手が分かる |
| 向いている相手 | 課題も依頼内容もはっきりしている層 | 「困ってはいるが何を頼めばいいか分からない」層 |
フォームと診断は競合するものではなく、相手の段階が違うだけです。 すでに依頼内容が固まっている人にはフォームが最短ですが、 「困ってはいるが何を頼めばいいか分からない」段階の人には、答えるだけで現在地が分かる診断のほうが入りやすくなります。 以下、実際の作り方を順に見ていきます。
なぜ「診断」だと答えてもらえるのか
問い合わせフォームを前にした人は、多かれ少なかれ「送ったら営業されるのでは」という警戒を持ちます。 フォームに入力するという行為が、すでに「相談する」という意思表示になってしまうためです。 まだ検討の初期段階にいる人ほど、この一歩は重くなります。
診断はこの構造が逆になります。回答者にとっての目的は「自分の状況を知ること」であって、こちらに何かを依頼することではありません。 質問に答える行為が自分のための情報収集になるため、心理的な負担が小さくなります。 結果として、これまで接点を持てなかった検討初期の層と、早い段階で関われるようになります。
設問の作り方 — 少なく、答えやすく
設問設計でいちばん大事なのは、答え終わるまでの負担を軽くすることです。 目安として5〜10問程度、選択肢は「はい/いいえ」か、多くても3〜4択に収めると迷わず進めます。 設問を増やせば精度は上がりますが、途中離脱が増えては本末転倒です。
設問の内容は、専門知識がなくても答えられるものに絞ります。 「APIの連携要件は決まっていますか」と聞かれても、検討初期の人は答えられません。 「今の作業で、同じ情報を二重に入力している場面がありますか」のように、日々の業務の実感で答えられる聞き方にすると、回答率が変わります。
弊社で公開している診断も、目的ごとに設問数を分けています。LINE活用度診断は5問、外注準備度診断は6問、AI導入準備度診断は9問という具合です。まず少ない設問で公開し、反応を見てから調整する進め方をおすすめします。
結果画面で何を返すか — ここが成果を分ける
診断コンテンツで最も手を抜いてはいけないのが結果画面です。 「あなたはAタイプです」だけで終わると、読んだ人は納得はしても次に何をすればいいか分からないまま離れてしまいます。
おすすめは三段構えです。まず現在地の説明——今どういう状態にあるのかを言葉にします。 次に次の一手——その状態で最初に取り組むと効果が出やすいことを具体的に示します。 最後に詳しく知るための入り口——関連する解説記事や資料へのリンクを添えます。 こうしておくと、すぐ動きたい人も、じっくり調べたい人も、それぞれのペースで進めます。
ここで注意したいのが、結果画面をすべて「だから相談してください」で締めないことです。 診断が売り込みの手段だと感じられた時点で、入り口としての機能を失います。回答者にとって役立つ情報を返しきったうえで、相談は選択肢の一つとして置く——この距離感が、結果的に信頼につながります。
問い合わせにつなげる導線の作り方
診断を作っただけでは問い合わせにはつながりません。結果を見て課題が具体的になった人が、 次の段階へ進める道を用意しておく必要があります。段階を分けて置くのが基本です。
- すぐ相談したい人 — フォームやLINEへの導線。結果画面に自然な形で置きます。
- もう少し調べたい人 — 関連する解説記事や、詳しい資料のダウンロード。情報だけ受け取れる選択肢を残します。
- まだ様子を見たい人 — 無理に接点を作らない。診断で現在地が分かったこと自体が価値なので、それで十分と考えます。
なお、診断の入り口でメールアドレスの入力を必須にすると、回答のハードルが一気に上がります。まず入力なしで結果を見せ、より詳しい資料や個別の相談を希望する人だけが情報を入力するという順序にすると、 回答数と接点の両方を確保しやすくなります。
作り方の選択肢と、つまずきやすい点
作り方は大きく分けて、Webページ上の診断フォーム、LINE上で答えてもらう形式、対話型のチャットボットの3つです。 集客のために始めるなら、まずはWebページ型が最も小さく試せます。 LINE上で完結させる形式は、すでに友だちがいるアカウントで反応を得やすく、 対話型のチャットボットは自由な質問に答える用途に向きます。用途が違うので、目的から選ぶのが確実です。 対話型の導入手順はAIチャットボット導入の進め方で整理しています。
つまずきやすいのは、診断を作ることが目的になってしまうケースです。 凝った分岐や多数の診断タイプを用意しても、結果画面が薄ければ回答者には何も残りません。 設問の精緻さより、結果として返す内容の実用性にこそ時間をかけるのが、遠回りに見えて近道です。
もう一つは、作ったまま置きっぱなしにしてしまうことです。 どの設問で離脱が多いか、どの結果が多く出ているかを見れば、設問の分かりにくさや、 想定と違う層が来ている実態が見えてきます。公開後に見直す前提で、小さく作り始めるのが現実的です。
よくある質問
まとめ
診断コンテンツは、まだ相談すると決めていない人と関わるための入り口です。 設問は少なく答えやすく、結果画面では現在地・次の一手・詳しく知る入り口の三段構えで返す。 そして相談は選択肢の一つとして自然に置く——この設計であれば、売り込みにならずに接点を作れます。 「自社の場合、どんな診断が作れるか」という段階のご相談も歓迎です。AI導入支援サービスのページもあわせてご覧ください。相談・お見積もりは無料です。

