LINE公式アカウントを始めたとき、配信は「詳しそうな人」が一人で引き受けることが多いものです。 最初はそれで回りますが、しばらく経つと、その人が休んだ週は配信が止まり、 お客様からのチャットは誰も返さないまま翌日に持ち越され、管理画面に入れるのもその人だけという状態ができあがります。 担当者本人も、本業の合間に続けている作業を誰にも渡せず、辞めるに辞められない負担を抱えがちです。
これは担当者の能力や熱意の問題ではなく、配信がいくつかの工程からできていることが見えないまま、全部を「LINEの担当」という一つの仕事として渡していることから起きます。 この記事では、LINE構築・運用代行を手がけるCoconutWorksが、配信を複数人で回すための役割の分け方、 管理画面の権限の持ち方、予定表と型の共有、チャット対応の決めごと、体制を作る順序を整理します。 1通の文面の書き方はLINE配信の文面はどう書くかで、配信内容と頻度の決め方はLINE公式アカウントで何を配信するかで扱っているので、ここでは「誰が・どの工程を持つか」に絞ります。
結論: 人ではなく工程で4つの役割に分ける
| 役割 | 担う作業 | 一人が抱えていると起きること |
|---|---|---|
| 決める人 | 今月何を送るか、送ってよいかを判断する | 書き手が毎回判断まで抱え込み、迷っているうちに配信日が過ぎます。 |
| 書く人 | 型に沿って文面と画像を用意する | 書き手が一人に固定され、その人が忙しい時期に配信が止まります。 |
| 確かめて送る人 | 受け取る側として読み、対象・日時・リンクを確認して予約する | 書いた本人だけが確認するため、宛先の間違いやリンク切れがそのまま届きます。 |
| 振り返る人 | 反応を見て、型と予定表のほうを直す | 送りっぱなしになり、同じ失敗が繰り返されても気づけません。 |
4つの役割は、4人必要という意味ではありません。 二人なら「決める人と振り返る人」を一人が、「書く人」をもう一人が持ち、確認はお互いに入れ替える、という分け方もできます。 ポイントは、書いた人と確かめて送る人を別にすることと、 どの工程を誰が持っているかを全員が知っている状態にすることです。 以下、それぞれの決め方を順に掘り下げます。
一人に貼り付くのは、工程が見えていないから
配信の担当者が一人に固まる会社では、ほかの人から見ると「LINEの担当が何かやっている」としか見えていないことが多いところです。 実際には、ネタを決める、社内に確認を取る、文面と画像を作る、送る相手と日時を設定する、届いたあとに反応を見る、 という複数の工程が一人の中で回っています。中身が見えないので、手伝おうにも手伝い方が分からず、 結果として全部がその人に残ります。
たとえば、店舗型のサービス業で、受付スタッフの一人が配信を担当しているケースを考えてみてください。 その人が繁忙期に受付業務で手一杯になると、配信は自然と後回しになります。 ほかのスタッフは「何か書けばいいのだろう」と思っても、どの日に何を送る予定だったのか、 どの画像を使ってよいのか、送る前に誰の了承が要るのかが分からないため、手を出せません。 配信が止まるのは、人が足りないからではなく、引き継げる形になっていないからです。
最初にやることは、今の担当者に、1回の配信で実際に何をしているかを書き出してもらうことです。 箇条書きで十分です。書き出してみると、判断の工程(何を送るか・送ってよいか)と作業の工程(書く・設定する)が混ざっていることに気づきます。 判断まで担当者が抱えていると、作業を誰かに渡しても「これで送っていいですか」と結局戻ってきます。 判断を担う人を別に決めることが、分担の出発点になります。
書く人と送る人を分ける — 確認を仕組みにする
役割を分けるとき、いちばん効果が出やすいのが書いた人と、確かめて送る人を別にすることです。 LINEの配信は、送ってしまうと取り消しが効きにくく、送った相手の手元にそのまま届きます。 宛先の絞り込みを間違えた、リンク先が古いページのままだった、日付を一つずれて書いた、といったミスは、 書いた本人が読み返しても見落としやすい種類のものです。自分が書いた文章は、書いたつもりの内容で読めてしまうためです。
確認する人がやることは、文章を添削することではなく、受け取る側として読むことです。 テスト配信やプレビューで受け取る側の画面を見て、冒頭だけで何の話か分かるか、リンクを押して正しいページが開くか、 日付と曜日が合っているか、送る相手の設定が意図どおりか、を見ます。 確認する項目を短い一覧にしておけば、配信に詳しくない人でも確認役を担えます。受け取る側として読むという確認の入れ方そのものは文面の書き方の記事でも触れているので、ここではその役を誰が持つかを決めるところまでを扱います。
つまずきやすいのは、確認役が「上司の承認」になってしまい、上司が捕まらないあいだ配信が止まる形です。 決める人(送ってよいかの判断)と確かめる人(ミスがないかの確認)は別の役割として扱い、 判断は月の予定を立てる段階でまとめて済ませておくと、1通ごとの確認は同僚同士で回せます。 キャンペーンの条件や価格など、判断が必要な内容が新しく出てきたときだけ、決める人に戻すと決めておくとよいでしょう。
管理画面の権限は一人ずつ付けて、外せるようにしておく
複数人で回すとき、意外と後回しにされるのが管理画面の権限です。 担当者が自分の個人のLINEアカウントで管理画面に入っていて、ほかの人は入り方を知らない、 あるいは一つのログイン情報をメモで回して全員が同じアカウントで入っている、という状態になりがちです。 どちらも、誰が何をしたか追えず、人が辞めたときに外せないという問題を抱えています。
LINE公式アカウントは、メンバーを管理画面に招待し、それぞれに権限を付けて運用できる仕組みになっています。 すべての操作ができる管理者の権限は、会社として責任を持てる人を最低二人に付けておくと、 一人が不在でもアカウントの設定を変えられない事態を避けられます。 書く人や確認する人には、配信の作業に必要な範囲の権限を付けます。 権限の種類や名称は提供元の仕様変更で変わることがあるため、設定する時点の管理画面やヘルプで確かめてください。
Lステップなどの拡張ツールを併用している場合は、LINE公式アカウント側とツール側で、権限の管理が別になっていることがあります。 片方だけ外して、もう片方に元担当者が入れる状態が残る、という漏れが起きやすいため、誰がどの画面に入れるかを一覧にしておくことをおすすめします。 入社・異動・退職のたびにその一覧を更新する運用にしておけば、権限の付け外しが作業として忘れられにくくなります。
予定表と型を共有の場所に置く
複数人で回せるかどうかは、担当者の頭の中にあるものを、どれだけ外に出せるかで決まります。 外に出すべきものは主に二つあります。いつ何を送るかの予定表と、文面をどう組み立てるかの型です。 どちらも凝ったものは要らず、社内で普段使っている共有の表計算や文書で十分です。
予定表には、配信日、送る相手、用件、書く人、確認する人、状態(未着手・作成中・確認待ち・予約済み)を並べます。 これがあると、担当者が休んだ日に「今週は何が予定されていて、どこまで進んでいるか」が誰にでも分かります。 月初に翌月分をざっと埋めておき、決める人がそこで内容の可否をまとめて判断すれば、 1通ごとに判断を仰ぐ手間も減ります。何を配信するかのネタの決め方はLINE公式アカウントで何を配信するかで整理しています。
型は、書き出しに何を置くか、本文の長さの目安、締めの書き方、使ってよい画像の置き場所、 言葉づかいの決めごと(敬語の程度や、使わない言い回し)を一枚にまとめたものです。 型がないまま書き手を増やすと、配信ごとに口調や体裁が変わり、受け取る側には同じ店からの案内に見えにくくなります。型があることで、文章が得意でない人も書き手に回れるのが利点です。 最初から完成させる必要はなく、今の担当者の過去の配信から良かったものを数本選び、その共通点を書き出すところから始めると無理がありません。
チャット対応は「誰が」より「何を・いつまでに」で決める
配信と違って、お客様からのチャットはいつ届くか分かりません。 複数人で受ける体制にすると、今度は「誰かが返すだろう」と全員が思って誰も返さない、 あるいは二人が同時に返して内容が食い違う、という別の問題が起きます。 チャットは配信以上に、受け持ちの決め方で回り方が変わります。
決めておきたいのは三つです。一つ目は、問い合わせの種類ごとの受け持ちです。 予約の変更や営業時間の確認は受付の担当、商品やサービスの内容の質問は詳しい人、というように振り分けます。 二つ目は、返すまでの目安です。当日中か翌営業日中か、営業時間外に届いたものはどう扱うかを決め、 その目安を自動応答などでお客様にも伝えておくと、待たせているという負担感が双方で減ります。 三つ目は、未対応のものを一日の終わりに誰が見るかです。この確認役がいるだけで、取りこぼしは減らせます。
よく聞かれる質問への返し方は、定型の文面として共有しておくと、返す人によって案内が変わることを防げます。 ただし、定型文をそのまま貼るだけの返信が続くと、機械的な印象になりやすいところです。 定型文は伝えるべき情報が漏れないための土台として使い、 最初の一言や締めの一言はその人の言葉で添える、という使い方が無難です。
体制を作る順序と、迷ったときのチェックポイント
今の体制を見直すとき、次の5点を確認すると、どこから手を付けるべきかが見えてきます。 「いいえ」がついた項目が、担当者が一人に貼り付いている原因の場所です。
- ①管理画面に入れる人が二人以上いるか — 管理者の権限を持つ人が一人だけになっていないか。
- ②来週の配信予定を、担当者以外が答えられるか — 予定が担当者の頭の中だけにないか。
- ③担当者以外の人が、型を見て1通書けるか — 書き方が言葉になっているか。
- ④送る前に、書いた人以外が受け取る側として読んでいるか — 確認が仕組みになっているか。
- ⑤担当者が一週間休んでも、チャットが返されるか — 受け持ちと未対応の確認役が決まっているか。
体制を作る順序としては、①今の担当者に1回の配信でしていることを書き出してもらう → ②管理画面の権限を整理し、管理者を二人にする → ③予定表を作って来月分を埋める → ④過去の配信から型を一枚にまとめる → ⑤書く人と確認する人を分けて1か月回す → ⑥振り返って型と予定表を直すという流れが無理がありません。 権限の整理を早めに置いているのは、ほかの作業と違って、問題が起きてから慌てても間に合わないことが多いためです。
一度に全部を整える必要はありません。最初の1か月は、書く人と確認する人を分けることだけに絞っても、 配信のミスと担当者の負担には変化が出やすいところです。そこで回り始めたら、チャットの受け持ちを決め、 振り返りの時間を月に一度設ける、と順に足していくほうが、途中で止まりにくくなります。
よくある誤解と、起きやすい失敗
「人を増やせば配信は止まらなくなる」 — 人を増やしても、工程と受け持ちが決まっていなければ、 結局いちばん詳しい人に作業が集まります。増えた人は「何か手伝えることがあれば」と待つだけになり、 担当者は教える手間まで抱えることになります。人を足す前に、何を渡せるかを書き出すのが先です。
「全員が何でもできるようにしておけば安心」 — 全員に同じ権限を付け、誰でも送れるようにすると、 一見柔軟ですが、確認を経ずに送られる配信が出てきます。「誰かが確認したはず」と思い込みやすい形でもあります。 安心につながるのは、全員が何でもできることより、誰が何を持っているかが決まっていることです。
「体制は最初にきっちり作り込むべき」 — 細かい手順書を最初から作ろうとすると、 作るのに時間がかかり、できあがる頃には実際の運用とずれています。 予定表と型は、回しながら直すものと割り切ってください。 月に一度、振り返る人が「今月つまずいたところ」を一つ選んで型に書き足す程度でも、続けるうちに自社で使える形に育っていきます。
「外部に任せれば社内の体制は要らない」 — 配信の作成や設定を運用代行に任せても、 何を伝えるかの材料は社内にしかありません。社内の窓口が決まっていないと、代行側は情報を待ったまま止まります。 外部に任せる場合も、材料を渡す人と仕上がりを確認する人は社内に置いておく必要があります。 任せられる範囲はLINE運用代行に任せられることで整理しています。
よくある質問
まとめ
LINE配信が一人の担当者に貼り付くのは、配信がいくつもの工程からできていることが見えず、全部を一つの仕事として渡しているためです。 決める・書く・確かめて送る・振り返る、の4つに分け、書いた人と確かめる人を別にする。 管理画面の権限は一人ずつ付けて管理者を二人にし、予定表と型を共有の場所に置く。 チャットは問い合わせの種類と返す目安で受け持ちを決める。 この順に整えれば、担当者が休んでも、辞めても、配信は止まりにくくなります。 すでに体制はあるが文面の質で悩んでいる場合はLINE配信の文面はどう書くかもあわせてご覧ください。体制づくりや運用の一部をお任せいただくご相談はLINE構築・運用代行サービスのページから承っています。相談・お見積もりは無料です。

