SESで外部のエンジニアに支援を依頼する際、契約前に「面談(顔合わせ)」の場が設けられるのが一般的です。 ただ、この面談を何を確認する場なのか曖昧なまま迎えてしまい、開始後に「期待と違った」となるケースは少なくありません。
この記事では、SES事業を営むCoconutWorksが、あえて発注側の目線で、 面談で確認しておきたい5つの視点を整理します。前提となる契約の仕組み(準委任・請負・派遣の違い)はSES(準委任契約)とはで解説していますので、あわせてご覧ください。
前提: SESの面談は「採用面接」ではない
まず押さえておきたいのは、SES(準委任契約)の面談は採用面接とは役割が異なるということです。 準委任では、業務の進め方に対する指揮命令は受託側にあります。そのため面談は「候補者を選考する場」というより、経験領域の確認と、期待する役割・体制・ルールのすり合わせを行う場と捉えるのが適切です。 この前提を双方が共有しておくだけでも、面談の質は大きく変わります。
結論: 面談で確認したい5つの視点
| 確認の視点 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 経験領域の具体性 | 技術名の一致だけでなく、「どんな課題をどんな役割で解決してきたか」。似た業務・似た規模の経験があるかを具体例で確認します。 |
| 期待する役割のすり合わせ | 設計から任せたいのか、実装が中心か、既存メンバーのフォローも期待するのか。開始後のギャップの多くはここのズレから生まれます。 |
| コミュニケーションの相性 | 報告・相談の頻度や粒度の感覚が自社チームと合いそうか。リモート中心の場合はテキストでのやり取りの明瞭さも大切です。 |
| 受託側のフォロー体制 | 困ったときに本人だけで抱えるのか、受託側の社内で相談・支援できる体制があるのか。継続的な品質はここに左右されます。 |
| ルール・環境への適応 | セキュリティルール、使用ツール、勤務形態(常駐・リモート)など、自社の環境で無理なく業務できるかを共有・確認します。 |
ポイントは、技術スキルの確認に偏らないことです。開始後のミスマッチの多くは、技術力そのものより「期待する役割のズレ」や「コミュニケーションの相性」から生まれます。
質問は「具体的な経験」を聞く形にする
- 「◯◯はできますか」より「◯◯をどう解決しましたか」 — 技術名の有無だけでは経験の深さは分かりません。課題・役割・判断の理由をセットで聞くと具体性が見えます。
- 似た規模・似た業務の経験を聞く — 大規模案件の一部を担当した経験と、小規模を一気通貫で見た経験では、活きる場面が異なります。自社の状況に近い経験があるかが目安になります。
- 分からないことへの向き合い方を聞く — 「経験のない技術に直面したときどう進めるか」への答え方には、仕事の進め方そのものが表れます。
発注側が事前に準備しておくとよいこと
- 依頼したい業務の範囲と期待値を言語化しておく — 「何をどこまで任せたいか」が曖昧なままだと、面談で確認のしようがありません。
- 自社側の体制を伝えられるようにする — 誰が窓口になるか、既存メンバーとどう関わるか。受託側にとっても重要な情報です。
- 開始後の振り返りの場を最初に設定する — 定期的にすり合わせる場があると、小さなズレを早期に調整できます。
よくある質問
Q. SESの面談は採用面接と同じように進めていいですか?
A. 役割が異なります。準委任契約では業務の進め方の指揮命令は受託側にあるため、面談は「選考」ではなく、経験領域の確認と期待する役割のすり合わせ、体制やルールの共有を行う場と捉えるのが適切です。確認したい観点を事前に整理しておくと、限られた時間で認識を揃えやすくなります。
Q. 技術力はどうやって確認すればいいですか?
A. 「何ができますか」という抽象的な質問より、「どんな課題を、どんな体制・役割で、どう解決したか」を具体的に聞くのがおすすめです。過去のプロジェクトでの担当範囲と判断の理由を聞くと、経験の深さが見えやすくなります。
Q. 面談で認識を合わせても、開始後にギャップが出たらどうすればいいですか?
A. 契約窓口(営業担当や受託側の責任者)に早めに相談することをおすすめします。準委任は継続的な契約なので、期待する役割と実際の業務のズレは、放置せず窓口経由で調整するのが健全です。定期的な振り返りの場を最初に設定しておくと、ズレに早く気づけます。
まとめ
SESの面談は、経験領域の具体性・役割のすり合わせ・コミュニケーション・フォロー体制・ルール適応の 5つの視点で臨むと、開始後のミスマッチを減らせます。CoconutWorksでは、面談前の期待値整理からご一緒することも可能です。SES・技術支援サービスのページもあわせてご覧ください。相談は無料です。
執筆: CoconutWorks株式会社 代表取締役 中森 康介 — LINE構築・運用代行、システム開発、AI導入支援を手がけています。会社概要

