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システムの保守契約で確認すべきこと — 「作って終わり」にしないための7項目

2026.07.206分で読めます
システム開発

システム開発は、納品されたその日が終わりではなくむしろ使い始めてからが本番です。 公開後には、思わぬ不具合が出たり、連携先のサービス仕様が変わったり、業務に合わせて少しずつ直したい箇所が出てきたりします。 こうした対応をどう続けるかを決めるのが保守契約です。

ところが見積もりや契約の段階では、開発費用に目が向きがちで、保守の中身はあいまいなまま進んでしまうことが少なくありません。 この記事では、要件定義から運用保守まで一貫して対応するCoconutWorksが、保守契約を結ぶ前に確認しておきたい項目を、金額の話ではなく「何をすり合わせておくか」という観点で整理します。

結論: 保守契約で確認すべき7項目

確認項目確認するポイント
対応の範囲障害対応だけか、軽微な改修や問い合わせ対応まで含むか。「保守」という言葉が指す範囲を具体例で確認します。
対応の時間帯と連絡方法平日日中のみか、それ以外も対応するのか。連絡はメール・電話・チャットのどれか、窓口は誰かを決めておきます。
応答・復旧の目安連絡してからどれくらいで反応があり、どれくらいで復旧を目指すのか。目安が示されているかを確認します。
追加開発との線引きどこまでが保守(月額に含む)で、どこからが別料金の追加開発か。曖昧だと後でトラブルになりやすい項目です。
環境・外部サービスの更新OSやライブラリ、連携先サービスの仕様変更に追従する対応が含まれるか。放置すると動かなくなる原因になります。
バックアップと復旧の想定データのバックアップを誰がどの頻度で取るのか、障害時にどこまで戻せるのかの想定を確認します。
資料・ソースコードの扱い設計資料やソースコード、アカウント情報が誰の管理下にあるか。保守先を変える可能性を見据えて確認します。

ポイントは、金額の前に「何をどこまでやってもらえる契約なのか」を具体例ですり合わせておくことです。 同じ「保守」という言葉でも、指す範囲は会社によって異なります。ここが曖昧なまま契約すると、いざというときに 「それは対応範囲外です」という認識のズレが起きやすくなります。

なぜ「作って終わり」だと困るのか

システムは一度作れば永久に同じように動き続ける、というものではありません。 連携している外部サービスの仕様が変わったり、土台となるOSやライブラリの更新が必要になったりと、自分たちは何も変えていないのに、周りが変わって動かなくなることがあります。

保守の窓口が決まっていないと、いざ止まったときに「誰に連絡すればいいのか」から探すことになり、復旧までに時間がかかります。 保守契約は、こうした「もしも」のときの連絡先と対応の約束をあらかじめ決めておくためのものです。 古い環境のまま放置するリスクについては、レガシーシステム刷新の進め方でも触れています。

「保守」と「追加開発」の線引きを決めておく

契約前に特にすり合わせておきたいのが、保守と追加開発の境目です。 一般的には次のような分け方になりますが、どこに線を引くかは会社によって差があります。

  • 保守に含まれやすいもの — 障害・不具合の対応、動作環境の更新への追従、軽微な設定変更、操作方法の問い合わせ対応など、既存の機能を正常に保つための対応。
  • 追加開発になりやすいもの — 新しい機能の追加、画面や帳票の作り替え、業務フローの変更にともなう仕様変更など、システムに新しい価値を足す対応。
  • 判断が分かれやすいもの — 「文言の修正」「項目の追加」のような小さな変更。保守の範囲とするか追加開発とするか、具体例で確認しておくと安心です。

金額そのものより、まず「この作業はどちらに入るのか」を具体例で確認することが、後のトラブルを防ぎます。 見積書全体の見方についてはシステム開発の見積書、どこを比較すればいいかもあわせてご覧ください。

契約前に用意しておきたい情報

保守の条件を具体的に決めるには、発注側が自分たちの状況を整理しておくとスムーズです。 次のような情報をまとめておくと、必要な保守のレベルをすり合わせやすくなります。

  • 止まると困る度合い — そのシステムが使えないと業務がどれくらい止まるか。困る度合いが大きいほど、手厚い保守が必要になります。
  • 利用する時間帯 — 平日日中だけ使うのか、夜間や休日も動かすのか。対応してほしい時間帯を決める材料になります。
  • 社内で対応できる範囲 — 簡単な設定変更や問い合わせの一次対応を社内でできるなら、その分保守の範囲を絞れます。

発注前の準備全般についてはシステム開発を外注する前のチェックリストで整理していますので、あわせて参考にしてください。

よくある質問

Q. 保守契約は必ず結んだほうがいいですか?
A. 規模や用途によります。社内の一部だけが使う小さなツールなら、都度対応(スポット)で足りることもあります。一方、業務が止まると困るシステムや、外部のサービス・法令の変更に追従し続ける必要があるシステムは、保守契約を結んでおくと復旧や更新の窓口が決まっていて安心です。まずは「止まったときにどれくらい困るか」で判断することをおすすめします。
Q. 保守契約の中に含まれる「保守」と「追加開発」はどう違いますか?
A. 一般的には、既存の機能を正常な状態に保つ対応(障害対応・軽微な不具合修正・環境更新への追従など)が保守、新しい機能を足したり仕様を変えたりする対応が追加開発です。どこまでを保守に含め、どこからを別料金の追加開発とするかは会社によって線引きが異なるため、契約前に具体例で確認しておくと認識がそろいます。
Q. 開発した会社以外に保守を頼むことはできますか?
A. 可能な場合もありますが、引き継ぎには設計資料やソースコード、各種アカウントの情報が必要です。これらが揃っていないと、別の会社が状況を把握するのに時間と費用がかかります。将来的に保守先を変える可能性があるなら、納品時にソースコードや設計資料の受け渡し条件を契約で明確にしておくことが大切です。

まとめ

保守契約は、対応の範囲・時間帯・応答の目安・追加開発との線引き・環境更新・バックアップ・資料の扱いの7項目を、 契約前に具体例ですり合わせておくことが失敗しないコツです。金額の比較はその前提が揃ってからで十分です。 「作って終わり」にせず長く使えるシステムにするための保守設計から、システム開発・業務改善サービスで一貫してご相談を承ります。相談・お見積もりは無料です。

執筆: CoconutWorks株式会社 代表取締役 中森 康介 — LINE構築・運用代行、システム開発、AI導入支援を手がけています。会社概要

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